Bin of thoughts (by um1gu)

色々な界隈に足を跨いだり突っ込んだりしてるオタクによる考えをある程度纏める場所

アイドルマスターシリーズの楽曲にまつわる個人的な雑記とお気持ち表明

  1. まえがき(?)

 14年間[i]続いているフランチャイズであるアイドルマスターは、今更説明不要であるとは思われるが、本邦におけるアイドルをモチーフとした作品群である。そしてアイドルの一つの側面として第一に挙げられるものといえば歌う事、すなわちシンガーである。今回はこれら二つをミックスしたアイドルマスターシリーズの楽曲(以下”アイマス曲”)についてダラダラと書く。

  1. 体系的な整理=ジャンル区分について

 アイドルマスターシリーズは、元々はアーケードゲームから派生したマルチメディア・メディアミックス作品群である。その中には2011年より放送開始されたアニメ版アイドルマスター(通称アニマス)等のアニメ作品や、2017年より配給が開始された韓国ドラマであるアイドルマスターKRといった実写作品[ii]も含まれ、まさにメディアミックスといった体を醸し出している。その中で浮かんだ疑問は”これらの楽曲はどの分野に属するか”、もっと単純に言い換えれば”CDショップやレンタルでアイマス曲を探すときはどのコーナーを探せばいいか”、ということである。先に結論を言ってしまえば、どちらでもある、としか言いようがない。というのも、各ショップによってこれらの配置が異なっている場合があることが多いからである。確かに、わざわざ丁寧にゲーム関連楽曲とアニメ関連楽曲を分けられると、なべてアイマス曲を探している人間にとって有難迷惑である事は想像に難くない。もっと言ってしまえば、近年はChildish Gambinoが”ジャンルという概念は死んだ”と主張[iii]したり、(推しの)Dillon Francisがコーチェラのインタビューで”…I hate genres honestly…”と言っていたり[iv]とジャンルという概念が陳腐化していく中でこのような事を考えているのは野暮のように思える。というわけでこの個人的に出したベストな回答は”アイマス曲という体系を作れ”、すなわち”ショップにアイマスのブースを作れ”になる。

  1. 海外でどうやってアイマス曲を聴く?それと海賊行為は?

 海外のアイマスコミュニティに属している(寄っている?)自分にとってはとても興味深いテーマである。というわけで海外にいるアイマスPがどうやってアイマス曲を聴いているか、自分の交流経験から通じた結論を言ってしまおう。おおよそが違法アップロードである[v]。理由としては先述した通り費用対効果や、そもそも手に入れられないからそうするしかない、といったことである。まさに、かつての[vi]海外におけるアニメの違法視聴と同じ現象が起こっている。海賊行為(piracy)は会社の売上を損なう行為である事には変わりない。ではどうやったらそれを防げるか、アイマス公式のページを一例にとりその考えを記してみた。

 アイマス繁体字版の公式サイト[vii]では、CDの項目が存在するにもかかわらずクリック不可[viii]になっている。これからわかる事は、①中国語使用地域[ix]に対する楽曲展開の可能性、②そのフォーマットはCDになる、である。①について、逆説的に言ってしまえば他の地域では配信を予定していない事が言える。その問題に付随するのが②で、世界的に見れば[x]Apple MusicやSpotify等のサブスクリプションサービスが音楽業界を大きく動かしている状況、つまりはCD売り上げが比較的に落ち込んでいる状態において、それらを用いない展開は正直に言えば時代錯誤であるとしか言えない[xi]。もう少し因果関係を説明するならば、CD中心の展開は海外向け、特に①以外の地域は地理的に遠く[xii]、送料だけでもバカにならない価格になってしまうため、ファンにとってはかなり経済的に都合が悪くなる。また、後述するが、それは違法アップロード等の問題へと発展していく可能性も(IP保護の観点からすれば)無視できないものとなる。

 ここで出てくる対立意見としてはサブスクリプションにおける収益問題である。簡単に言えばアーティストの取り分が少なくなることであるが、詳細な説明はそれを取り扱った記事等に任せる。とにかく、そういった理由が存在する以上、会社としても容易に手が出せないという心情は想像に難くない。また、コミュニティやその構成国籍を問わず、公式をサポートする風潮がオタク界隈で盛り上がりを見せているため、この理論がある程度正当性を持ってきているのも、私論であるが感じている所である[xiii]。しかし、100歩譲って、国内だけでも広く音楽を聴いてもらおうとすれば、客側にとっては安価かつ便利なサブスクリプションサービスを使用することが手軽である事には変わりない。また、そうすることによって新たな客層の獲得や、いわゆる布教活動においても大きな効果を発揮する事も容易に想像できる。特にデジタル媒体という特性上、海外からも容易にアクセスできるのは大きい長所である。ただし、海外配信については、ラブライブ関連楽曲の件から推測すると、全世界同時配信を期待するのはやや夢見がちであるかもしれない[xiv]

 余談ではあるが、ValveのGabe Newellがかつて”Piracy is almost always a service problem and not a pricing problem”(私訳: 海賊行為はほぼすべての場合において配信の問題であり価格設定の問題ではない)と発言した。ValveはPCゲームの配信を行っており、彼が示した海賊行為の対象やはりゲームになるのだが、これは他のメディアにおいても適用できるのかもしれない[xv]。とにかく、海外ではアイマス曲を違法アップロードという形で視聴されることが多く、それにはサブスクリプション形式の配信が不可欠であるという意見を表明しておく。[xvi]

  1. 後記

海外での視聴形態についてはアンケート等で細かく系統を調べる必要があると思った。あくまで体感・経験論なので。議論は大歓迎ですがボコらないでねごめんなさい

 

[i] 執筆時点。

[ii] https://www.amazon.co.jp/dp/B06ZYJ8ZH3/から視聴可能。

[iii] https://playatuner.com/2017/02/childish-gambino-genre-dead/

[iv] https://www.youtube.com/watch?v=y6sLe1T2cRM

[v] 例外としては来日時にCDショップで買う、通販を利用する(後述のリスク有)など。

[vi] 現在も一定度ある。

[vii] https://imasofficial-as.idolmaster.jp/

[viii] なお日本版にはそのバナーが存在しない。

[ix] 香港・マカオ・台湾の”大陸以外”が有力、ミリシタの配信予定などから推測。

[x] わざわざこう書いたので説明は不要であると思うが、一応記すと日本が特殊な形態になってきているということである。

[xi] xにも記した通り、それが日本のやり方といってしまえばそれまでであるが….

[xii] “西側”(western)を想定している。

[xiii] 日本のtwitterなどでよく見るガチャやシリアル商法の正当化(ステマ?)といったレベルまでではない。公式からグッズを買おう, 正規配給から(有料で)視聴しよう、位ではあるが。

[xiv] 日本配信は8th/nov/18であるのに対して、海外配信は4th/jul/19と、おおよそ半年のブランクが存在する。恐らく権利関係であると思われるが、日本配信時のツイートでは海外のライバーからリクエストのリプライが送られていた。(https://twitter.com/spotifyjp/status/1060548399391432704) さらに言ってしまえばレーベルであるランティスはAniutaの筆頭ファウンダーであるためサブスク解禁だけでも大譲歩…なのかもしれない。

[xv] ただし、これにももちろん反論はある。しかしながらcrunchyrollの反例なども存在する所を見るに、正当性を感じずにはいられない。あくまで個人の意見である。

[xvi] itunesハイレゾ配信等も存在するが、母数が少ない。