クサいタイトルでごめんなさい
はじめに
Red Voxはニューヨークに拠点を置くインディーロックバンドである。メンバーは前に紹介したJojiとなんか被ってしまいそうな気がするけどストリーマーグループVinesauce[i]のリーダーであるVinny (Vo, Gt, Syn & Key)と同じくストリームもやっている[ii]Mike (Perc.)の二人を中心としてBilly (Key, Pf & Ba)とHappy AnarchyのJoe (Bass, Gt & Prod)からなる4人。
あとこの記事の目的としてはバンドを好きになったので広めようと思って作った。それだけ。
1. 背景
前史として、2003年ごろにVinnyとMikeはLed ZeppelinやBlack Sabbathなどのバンドに共通の好みを持っていて出会うことになった。また、数年の間Billyと同じバンドで過ごしたこともある。その後にVinny, Mike, Philの3人でDavy’s Greyというバンドを立ち上げたが二年ほどで解散。MikeとPhilは転々とバンドを続けていたものの、VinnyはVinesauceを立ち上げていたり、ソロワークを制作していたりした。
そして2014年に再度バンドを立ち上げようとVinnyとMikeが再会、Red Room StudiosでJoeと出会い本格的な音楽活動を始めるようになる―ちなみに、ストリーマーとしてはかなりはっちゃけておりBlood Bagelがそのスタイルに近いのかもしれない。しかし言うまでもないが音楽に対しては打って変わって真摯に取り組んでいるのでご安心を。
2. アルバム・EP紹介
What Could Go Wrong
1stアルバムであるWhat Could Go Wrongは、タイトル通りテーマはそれほど決まっておらず、There She Goesのようなコミカル的ナンバーから、Hazyに見られるダウナーでシリアスなものまで様々である。スタイル的には正統派(?)のロックといったところで、Queens of the Stone Ageっぽさがたまに感じ取られる。(ここは言ったもん勝ち)
Blood Bagel
打って変わってこちらは80sや90sのハードロック調(どっちかっていうと模倣らしい)に仕上がっているEP。その音楽性よりどうしても歌詞の内容に惹かれてしまうことが多い。文字通りのShitpostといえばわかりやすいかもしれない。あとアルバムアートワークがなかなか”””ロック”””。
Another Light
(相対的に見て)2ndアルバムのAnother Lightはこのインディーバンドをより知らしめた名盤かもしれない。もっとも、このアルバムのコンセプトとして見受けられるサイケデリック・ロックへの強いシフトがその理由かもしれない―例えば、Another Light(アルバム内の曲)とSettle for Lessの間でみられるクロスフェードや[iii]シンセサイザーの使用は、シングルカットであるIn the GardenやMemories Lieなどにおいてサイケ独特の幻想さを演出することに一役買っている。ここでバンドの軸であるサイケが確立していく事となり、後のプロダクションでも活用されていく。
Kerosene
3rdアルバムではそこから更に方向転換を図り、アコースティックというコンセプトにたどり着いた。ただ前作からのサイケ調のタッチは行っており、アルバム全体に見られるものとしてWhat Could Go Wrongのそれとは別のエフェクターや、アルバム最後の曲であるCemetery Windowがそれを物語っている。
Realign
執筆当時[iv]で最近出た4thアルバムは再びサイケに戻ってきた。といっても、決してAnother Lightの焼き増しではないことが分かる。いや、それよりもさらにサイケっぽさがより一層強くなっているのではないだろうか。Ozymandiasに代表される重厚なシンセ[v]はもちろんのこと、Why Can’t This Be EasyやThe Reason This is happeningのドラムキットはAnother Lightと対照的な印象を与えている。極端な比較になるがAnother LightがHighly Evolvedであるとすれば、RealignはCurrentsやLittle Dark Ageなのかもしれない。誰か上手い例えを求む。
3. 音楽スタイル
アルバム紹介の項で大体わかってくれたと思う(思いたい)が、その主軸はサイケデリック・ロックで、それ以外にもクラシック・ロックやアコースティックがバンドのスタイルである。Vinnyがストリームを通じて語った影響を受けているバンドは、Radiohead, Pixies, David Bowie, Pink Floyd, The Cars, Wilco, MGMT, The Clash, Tame Impala, Queens of the Stone AgeやTalking Headsで、特にTame ImpalaはRed Voxを始めるにあたって大きな影響を受けたと発言している。また、バンド名自体がVinnyの夢から出てきたことから、作詞の面でも夢から実際にインスピレーションを得た曲が多くあるそうだ。
4. 個人的な感想とか
正直言ってしまうと、このバンドを見つけたのも元々はVinesauceが入り口だったみたいなとこがあるからバンドについてここまで書きまくって構わないのかとか思ったりしている。あと個人的に思うのは、影響を受けたバンドの所で直接引用したwiki[vi]に載っていなかったバンドとしてGorillazを挙げておきたい。[vii](というか実際にインスピレーションの一つとしてBRBで挙げていたりする。) あとThe Vinesもどこかしら影響がありそうな気がする。多分。
おわりに
超久々に音楽系の記事を書いてみたら思ったより難しく感じてしまったので泣きたい。けどアルバムごとに詳しい話も書いてはみたいし他にもMolchat Doma (Молчат Дома)やMF DOOMのサンプリングとかについて書いてみたくなってしまったのでいつかやりたい。
とりあえずRed Voxを簡単に説明すると「ストリーマーでNYベースのインディー・(サイケデリック)・ロックバンド」になる。MGMTやTame Impalaなどのサイケ[viii]が好きなら是非聴いてほしい。
ここを参照。日本語で簡潔に書くとVinnyが2010年から始めたストリームチャンネルで、そこからストリーマーが増えていって現在も一大人気を誇っているグループ?
[ii] Jabroni Mikeとして活動している。
[iii] 余談としてWhat-の最終曲であるIn A DreamからAnother-の最初がつながる仕掛けにもなっている。
[iv] 7th/Aug/20
[v] 曰く80年代のsynth rock的なアプローチ
[vi] https://vinesauce.fandom.com/wiki/Red_Vox
[vii] Feel Good Inc.とAtom Bombのトランジションが一番わかりやすい。というか似てる気がする。
[viii] 一応ネオ・サイケデリアでいいのか??